裁判例集

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交通事故の損害賠償の裁判例:名古屋高裁H4-6-18

交通事故の裁判例

交通事故の被害者につき、義眼代99万円を損害として認めた。

交通事故の裁判例判旨

前記のとおり、控訴人は失明した右眼に義眼を装填することとなったところ、証拠(〈書証番号略〉、原審証人K)によれば、この義眼は昭和六三年七月(控訴人満一八歳)に調整されて装填されたのではあるが、およそ義眼というものは、除去部分の周辺又はその奥部の組織に経年変化が生じるため、少なくとも四年に一度の割合で作り変える必要のあることが認められる。控訴人は、本件事故当時(昭和六三年四月)満一八歳であって、昭和六三年簡易生命表によると、控訴人の本件事故当時の余命年数は五八・三年であるから、控訴人は今後、平成四年を初回として少なくとも一四回にわたって義眼の取替えをする必要があることとなる。そして、控訴人は、前記の義眼装填に当たり通院交通費を含めて七万一三四〇円の支出を余儀なくされたものであるところ、今後の義眼取替えに要する費用は、まず右の装填からわずか四年を経たに過ぎない平成四年において(第一回目の義眼取替え)すら、採型・色合わせ一回で調整した場合で約八万五〇〇〇円(通院交通費を除く。)、採型・色合わせ二回で調整した場合で約一三万円(同上)を要することが見込まれるような状況になっているのであって、このような状況に照らすと、右の取替え費用は今後回を重ねるごとに更に増えることが予想される(〈書証番号略〉、原審証人K、当審における控訴人)。
控訴人は、前記の義眼装填の際の費用である七万一三四〇円を一回分とし、その一四回分に相当する九九万八七六〇円をもって、今後一四回にわたる義眼取替えに伴う損害額(元本)と認めるべきである旨主張する。ところで、一般に、将来にわたって費用の支出を余儀なくされることによる損害額の現在高(元本)を算定するに当たっては、現在から支出することとなる将来の時点までの間の中間利息を当該支出予定金額より控除した現価をもって算出する方法が通常採られており、それが合理的な方法の一つであることはいうまでもない。しかし、本件の場合、右に見たように、今後の義眼取替えの費用については、本件事故当時の価格(前記の装填に要した費用)が五十数年間というような長い将来にわたってそのまま維持されてゆくとは到底認められず、却ってこれがかなりの程度で増大してゆく蓋然性が相当に高度であるともいえるのであるから、このような事情等に鑑みると、結局、本件においては、右の中間利息控除による現価算出の方法を採ることなく、少なくとも右控訴人主張に係る金額をもって将来の義眼取替えによる損害の現在高(元本)であると認めるのが相当と判断する。

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