裁判例集

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交通事故の損害賠償の裁判例: 福岡高裁H21-5-15

交通事故の裁判例

3人を死亡させ、2人を負傷させた危険運転致死傷等の事案について、事故態様及び飲酒量等から、アルコールの影響により視覚探索能力が低下し前方注視が困難であり、正常な運転ができない状態であったものと認定した。

交通事故の裁判例判旨

 危険運転致死傷罪にいうアルコールの影響により正常な運転が困難な状態とは,アルコールの影響により現実に道路及び交通の状況等に応じた運転操作を行うことが困難な心身の状態を意味すると解するのが相当である。これを本件についてみると,被告人は,自車を走行させるための相応の運転操作は可能であったが,前方注視を行う上で必要な視覚による探索の能力が低下したために前方の注視が困難となって先行車の存在を間近に迫るまで認識することができない状態にあり,現実に道路及び交通の状況等に応じた運転操作を行えなかったものであって,アルコールの影響により,正常な運転が困難な状態で本件事故を起こしたと認められる。
 そして,被告人の認識について検討するに,アルコールによる視覚への影響という事柄の性質上,その影響が本人である被告人に分からないはずはないのであって,本件事故当時,被告人は当然に自らの視覚に異常が生じて前方の注視が困難な状態であることを認識していたと認められる。また,被告人は,自らが上記のとおり相当のアルコールを摂取した事実を認識し,身体のバランスを崩して平衡感覚を保ち得ないなどの体験をしたり,自ら酔っている旨も発言していること,Hからもふだんとは違う高速度の運転について指摘されていることなどからして,相当に酒に酔っていることも自覚できていたと認められる。そうすると,被告人には,アルコールの影響による正常な運転の困難性を基礎付ける事実の認識に欠けるところはなく,危険運転致死傷罪の故意も認められる。

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