裁判例集

一覧へ戻る

交通事故の損害賠償の裁判例: 東京高裁H4-12-25

交通事故の裁判例

重複保険についての告知・通知義務違反を理由とする解除または免責は、不法に保険金を取得する目的の場合など正当な事由がある場合に限られると判断した。

交通事故の裁判例判旨

約款において、重複して損害保険契約をする際には、保険契約者は、先の保険者に対してはその旨を通知して承認を求め、後の保険者に対して予めその旨を告知をすべきことを定めている趣旨は、重複保険の締結は一般に保険契約者による保険事故の招致の危険を増大させるおそれがあることに鑑み、保険者としては重複保険の成立を避けるため、他保険契約の存在を知る必要があること、及び保険事故が発生した場合の損害の調査、責任の範囲の決定について、他の保険者と協同して行う利益を確保するためには、他保険契約の存在を知ることが便宜であること等にあるものと考えられる。したがって、重複保険の通知義務、告知義務を課した本件約款には合理的な理由があり、その定め自体が商法に違反するものとはいえない。
しかしながら、重複保険の場合であっても保険契約者が取得し得る保険金額は保険契約の目的の価額に限られる(商法六三一条)し、重複保険の保険者が負担すべき保険金額については商法六三二条、六三三条及び保険約款によって分担の方法が定められているほか、故意又は重大な過失による保険事故の招致については商法六四一条及び同旨の保険約款の規定により保険者は免責されること及び普通保険約款にあっては、契約当事者の知、不知を問わず、約款によらない旨の特段の合意がないかぎり、これが当然に契約内容となって当事者を拘束すること等に鑑みると、保険契約者に他の保険内容の存在について告知、通知義務違反があるからといって、保険者が直ちに保険契約を解除することができるとか、あるいは保険金の支払を免責されるものと解するのは相当ではない。保険契約者が不法に保険金を得る目的をもって重複保険契約をしたことなど、その保険契約を解除し、あるいは保険金の支払を拒絶するにつき正当な事由がある場合に、はじめて保険者は告知、通知義務違反を理由に保険契約を解除し又は保険金の支払いを免れることができるものと解するのが相当である。

弁護士による交通事故の示談・慰謝料増額の無料相談【HOME】へ

一覧へ戻る

  • 交通事故で被害に遭われた方、そのご家族の方へ。
    損害賠償・示談の相談は、無料相談からお問い合わせください。
  • フリーダイヤル0120-980-856
  • 365日24時間いつでも受付中!
    お気軽にお電話ください!

  • 無料ご相談フォームへ