裁判例集

一覧へ戻る

交通事故の損害賠償の裁判例: 東京地裁H8-10-30

交通事故の裁判例

将来の見通しに対して強い不安を持って抑うつ状態に陥り、交通事故の約1年後に自殺した場合について、自殺と交通事故との相当因果関係を認めた。

交通事故の裁判例判旨

訴外Mは、Y店の立退を機に、独立を考え、早期に開店したいとの焦燥感に募られ、本件事故によつて受傷した外傷性くも膜下出血、脳挫傷、頭部外傷、右肘脱臼骨折の治療が完了していない段階で、新規店舗の開店の準備を始め、未だ意識障害や右肘の機能障害が残つていたため、開店後の状況に対して不安感と焦燥感を募らせ、加えて平成三年九月一日に、焼肉店を開業したものの、売上が思つたようには上がらなかつたことから、将来の見通しに対して強い焦燥感、不安感を有していたことは容易に推認できるところであり、訴外Mは、自殺当時、抑うつ状態に陥つていたものと認められる。加えて、自殺直前の訴外Iとの話の中で、本件事故の影響で自己の身体が思つたように動けないと、将来に対しさらに強い不安を覚え、焦燥感を募らせ、絶望的になつて自殺に及んだと認められる。なお、N医師が、訴外Mは、国立第二病院を退院した直後の平成二年ころから抑うつ状態にあつたと判断している点は、同医師が単なるノイローゼと抑うつ状態を峻別している基準に照らしても、これを直ちに容認することには躊躇を感じるが、少なくとも焼肉店を開店後、売上げが上がらなかつた平成三年九月初旬以降は、訴外Mが抑うつ状態にあつたことは明らかであると認められるので、右の点は相当因果関係の判断に当たつては影響を与えない。そして、抑うつ状態にあつた人が、自己統制意志を制約され、自殺に至ることは十分に予見可能であるから、訴外Mの自殺と本件事故との間には相当因果関係があると認めるのが相当である。

弁護士による交通事故の示談・慰謝料増額の無料相談【HOME】へ

一覧へ戻る

  • 交通事故で被害に遭われた方、そのご家族の方へ。
    損害賠償・示談の相談は、無料相談からお問い合わせください。
  • フリーダイヤル0120-980-856
  • 365日24時間いつでも受付中!
    お気軽にお電話ください!

  • 無料ご相談フォームへ