裁判例集

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交通事故の損害賠償の裁判例: 札幌高裁H17-9-8

交通事故の裁判例

危険運転致死傷罪では「重大な交通の危険を生じさせる速度で4輪以上の自動車を運転した事実」について補強証拠があれば足り、具体的な速度についてまで補強証拠を要しない。

交通事故の裁判例判旨

 論旨は,要するに,原判決は,重大な交通の危険を生じさせる速度として被告人車両が時速約20キロメートルで進行した旨認定したが,この走行速度については被告人の自白しかないのに,自白のみで犯罪事実を認定した点で訴訟手続の法令違反がある,また,時速20キロメートルの速度を刑法208条の2第2項後段にいう「重大な交通の危険を生じさせる速度」に当たるとして同条項を適用した原判決の判断は誤っており,判決に影響を及ぼすことの明らかな法令適用の誤りがある,というのである。
 そこで,検討するに,所論は,被告人車両の具体的な速度,すなわち本件にあっては時速約20キロメートルであった事実について補強証拠を要するというが,自白に補強証拠を必要とする趣旨,補強証拠を収集する困難性の有無・程度等に鑑みると,「重大な交通の危険を生じさせる速度で四輪以上の自動車を運転した事実」について補強証拠があれば足り,具体的な速度についてまで補強証拠を要するものではないと解される。本件では,時速約20キロメートルの速度で進行していたとの被告人の自白があり,被告人が,普通乗用自動車を運転し,対面信号機の赤色信号を殊更に無視し,交差点に進入しようとして対向車線に進出した事実及び被告人車両が,青色信号に従って交差点を左折して対向車線を進行した被害者車両と衝突して被害者らに傷害を負わせた事実は,B及びCの各検察官調書(原審甲1,11,12),Dの警察官調書(同3),実況見分調書(同7),登録事項等証明書(同14)及び各診断書(同2,4)等の証拠によって裏付けられており,結局,補強証拠に欠けるところはなく,また,被告人が供述するような速度でそのように進行した場合,信号表示に従って対向車線を進行する対向車と衝突する危険及びそれにより人を負傷させる危険は極めて高いというべきであるから,このような場所及び状況の下での被告人車両の時速約20キロメートルの速度が刑法208条の2第2項後段にいう「重大な交通の危険を生じさせる速度」であることは明らかであるから,原判決に法令適用の誤りはなく,結局,論旨はいずれも理由がない。

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