裁判例集

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交通事故の損害賠償の裁判例: 最判S51-3-18

交通事故の裁判例

交通事故の示談書の「今後本件に関しては如何なる事情が生じても決して異議の申立、訴訟等は一切しないことを確認する」及び「六か月を経過後も被害者が就業できない場合及び被害者に後遺症を生じた場合には、さらに協議のうえ誠意をもって示談を成立させる」旨の文言は、不起訴の合意ではないとした。

交通事故の裁判例判旨

 原判決は、昭和四三年九月三日発生した本件交通事故に基づく上告人の被上告人Y(以下「被上告人Y」という。)に対する損害賠償請求につき、同年九月一三日被上告人Yを主債務者とし、被上告人T、同K(以下「被上告人T」、「同K」という。)を連帯保証人として上告人との間に成立した和解契約に関する示談書(甲第六号証)の冒頭の「右合意により、本件事故による損害賠償問題は一切円満解決したので、今後本件に関しては如何なる事情が生じても決して異議の申立、訴訟等は一切しないことを確認する」旨の文言及び末尾の「医師の診断により、六か月を経過するもなお上告人が就業できない場合及び上告人に後遺症を生じた場合には、上告人及び被上告人Yはさらに協議のうえ誠意をもって示談を成立させる」旨の文言の記載を理由として、上告人と被上告人らとの間で、本件事故後六か月内に生じる上告人の一切の損害につき不起訴の合意がされたものであるとしたうえ,上告人の被上告人T、同Kに対する訴及び上告人の被上告人Yに対する訴のうち前記六か月分に関する一二四万〇三三〇円の請求部分はいずれも権利保護の利益を欠く、と判断した。
 しかしながら、本件和解契約中の前記部分の本旨は、上告人と被上告人らとの間で、上告人が本件事故後六か月内に治癒する見込のもとに、被上告人らが示談による約定を履行したときは、上告人において今後本件に関し異議の申立、訴の提起等は一切しない旨の合意が成立したことを意味するにすぎず、被上告人らが右約定を履行すると否とにかかわらず、右示談内容につき当事者間で不起訴の合意が成立したことを意味するものではないと解するのが相当である。してみると、原判決は本件和解契約の解釈を誤った違法があるものというべく、その違法は判決に影響を及ぼすことが明らかであるから、この点に関する論旨は理由があり、原判決中被上告人T、同Kに関する上告人の控訴を棄却した部分及び被上告人Yに対する訴を金一二四万〇三三〇円の限度で却下するとした部分は破棄を免れない。なお、上告人は原判決中被上告人Yに対する請求を棄却した部分については不服の申立をしていないから、当審は右部分につき判断を要しない。 
 よって、民訴法四〇七条一項、三九六条、三八八条、三八九条一項に従い、第一審判決中上告人の被上告人T、同Kに対する訴を却下した部分、上告人の被上告人Yに対する訴を金七二万三一二七円の限度で却下した部分及び同被上告人に対する請求を棄却した部分のうち五一万七二〇三円に関する部分を取消し、右取消部分につき更に審理を尽くさせるために本件を第一審裁判所に差し戻すこととし、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

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