裁判例集

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交通事故の損害賠償の裁判例: 最判S45-12-24

交通事故の裁判例

保険業者が主務大臣の認可を受けないで普通保険約款を変更し、その約款に基づいて保険契約を締結しても、その変更が保険業者の恣意的な目的に出たものでなく、変更された条項が強行法規もしくは公序良俗に違反しまたはとくに不合理なものである場合でないかぎり、変更後の約款は、保険契約の内容を定めることになる。

交通事故の裁判例判旨

思うに、普通保険約款が保険契約者の知・不知を問わずこれを拘束する効力を有するものであること、その作成変更につき主務大臣の認可を要するとされる趣旨が、主として、右のような拘束力を有する約款が保険業者の恣意により作成されることを防ぎ、約款の内容を適法かつ合理的ならしめて保険契約者の保護をはかることにあることは、右の原判決説示のとおりである。しかし、主務大臣の認可を受けない保険約款の変更は、如何なる種類の保険においても、すべて一律にその効力を有しないものとするのは相当でない。船舶海上保険においては、一般の火災保険や生命保険とは異なり、保険契約者となる者すなわち船舶海上保険を利用する者は、多くは、商行為をなすことその他営利的な目的をもつて船舶を航海の用に供する者であり、相当程度の営業規模と資力を有する企業者であるのが普通であつて、保険業者に比して必ずしも経済的に著しく劣弱な地位にあるとはいえない。このような者については、同種の保険を反覆して利用することによつて普通保険約款の内容に通暁し、その各条項を仔細に検討し、契約の締結にあたつては、自己の合理的な判断と計算に基づいてその内容を定めることが、期待されうるとともに、保険業者としても、このような利用者の意思と利益を無視して約款その他の契約内容を一方的に自己に有利にのみ定めることはできないのであつて、保険約款の内容を保険業者の定めるところに委ねても、必ずしもその合理性を確保しえないものではない。したがつて、海上保険についても、保険制度の公共性に基づき、その適正な運営のため保険業に対する国の一般的監督が必要とされることは勿論であるが、保険契約の内容を律する普通保険約款を公正妥当ならしめ保険契約者を保護するという点においては、行政的監督は補充的なものに過ぎず、主務大臣の認可を受けないでもそれだけでただちに約款が無効とされるものではないというべきである。してみれば船舶海上保険につき、保険業者が普通保険約款を一方的に変更し、変更につき主務大臣の認可を受けないでその約款に基づいて保険契約を締結したとしても、その変更が保険業者の恣意的な目的に出たものでなく、変更された条項が強行法規や公序良俗に違反しあるいは特に不合理なものでない限り、変更後の約款に従つた契約もその効力を有するものと解するのが相当である。

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