裁判例集
交通事故の損害賠償の裁判例: 最判H20-10-16
交通事故の裁判例
赤色信号を「殊更に無視し」とは、およそ赤色信号に従う意思のないものをいい、赤色信号であることの確定的な認識がない場合であっても、信号の規制自体に従うつもりがないため、その表示を意に介することなく、たとえ赤色信号であったとしてもこれを無視する意思で進行する行為も含まれると判断した。
交通事故の裁判例判旨
所論は,平成19年法律第54号による改正前の刑法208条の2第2項後段にいう赤色信号を「殊更に無視し」とは,赤色信号についての確定的な認識がある場合に限られる旨主張する。
しかしながら、赤色信号を「殊更に無視し」とは,およそ赤色信号に従う意思のないものをいい,赤色信号であることの確定的な認識がない場合であっても,信号の規制自体に従うつもりがないため,その表示を意に介することなく,たとえ赤色信号であったとしてもこれを無視する意思で進行する行為も,これに含まれると解すべきである。これと同旨の見解の下,被告人の上記行為について,赤色信号を殊更に無視したものに当たるとして,危険運転致死罪の成立を認めた原判断は正当である。