裁判例集

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交通事故の損害賠償の裁判例: 大阪高裁H15-8-21

交通事故の裁判例

「赤色信号を殊更に無視し」たものに当たると認めた事例

交通事故の裁判例判旨

被告人の対面信号は,被告人が本件交差点に進入する6,7秒前から赤色を表示していたことになるところ,被告人は,第1回見分結果を除き,ほぼ一貫して,病気で寝ている子のことが頭をよぎり,ぼんやりとした状態で,信号があること自体頭から飛んでいたため,赤色信号には気付かなかった旨弁解している。しかしながら,原判決が「補足説明」の4項で説示するように,〔1〕本件交差点に至るまでの間,被告人は,追越しのためのはみ出し通行禁止の規制がある本件現場付近道路において,指定最高速度の時速50キロメートル又は時速60キロメートル(なお,原判決の上記4項に「法定速度又はそれを超えたスピード」とあるのは,「指定最高速度又はそれを超えたスピード」の誤記と認める。)で走行していたA車及びB車を反対車線にはみ出して次々と追越し,その間,衝突地点の約260メートル手前で対面信号が黄色であるのを確認しながら,その後も速度を緩めることなく進行し,約110メートル手前で軽く左右道路を確認して本件交差点に進入するなど,精神ないし意識の緊張が必要とされるような運転を行ってきたものであることがうかがわれるのであって,信号表示に関してのみ意識が飛んだというのは不自然極まること,〔2〕本件道路は直線道路であり,両側には水田が続いている上,街灯も少ないため,夜間においては信号表示がかなり目立つ状況にあること,しかも,〔3〕事故直後における被告人の第1回見分結果も,赤色信号を確認したという地点を被告人自ら特定したものであったことなどに照らすと,本件では,被告人が赤色信号を認識していた可能性が相当に高いというべきであるが,仮に,被告人がるる弁解するとおり,赤色信号を認識していなかったとしても,本件交差点に至るまでの上記のような運転経過や同交差点の状況等にかんがみると,同交差点に進入するに際しての被告人の心理状態は,対面信号の表示がどうであれ,そのまま交差点を通過しようという積極的な意思であったと認めざるを得ないところであって,信号表示への意識が一時的に飛んで赤色信号を見落としたとか,信号の変わり際で,赤色信号であることについて未必的な認識しかなかったとかいった,消極的な心理状態であったと認める余地はない。そうすると,原判決が「補足説明」の5項で説示するように,被告人は,本件交差点に進入するに際して,信号の規制自体を無視し,およそ赤色信号であるか否かについては一切意に介することなく,赤色信号の規制に違反して進行したというのが真相であり,刑法208条の2第2項後段にいう「赤色信号を殊更に無視し」たものに当たるというべきである。

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