裁判例集

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交通事故の損害賠償の裁判例: 大審T4-12-24

交通事故の裁判例

約款によらない意思を表示して契約しないかぎり、相手方が契約当時その内容を知らない場合でも約款による意思をもって契約したと推定される。

交通事故の裁判例判旨

上告論旨ハ保険業法第一条ニ依レハ主務官庁ノ免許ヲ受クルニ非レハ保険事業ヲ営ムコトヲ得ス同法第五条ニ依レハ保険会社ハ普通保険約款ヲ定ムルニ非レハ免許ヲ申請スルコトヲ得ス同法第七条ニ依レハ普通保険約款ニハ保険会社カ保険金額ノ支払ヲ為スヘキ事由及保険会社カ其義務ヲ免ルヘキ事由ヲ定ムルコトヲ要シ又同法第八条ニ依レハ免許ノ基礎ト為リタル普通保険約款ノ内容ハ主務官庁ノ認可ヲ受クルニ非レハ之ヲ変更スルモ其効力ナキコト明瞭ナリ而シテ所謂普通保険約款トハ当事者間ニ別段ノ特約即チ特別保険約款ヲ定メサルトキハ之ヲ以テ当事者間保険契約ノ内容ト為スヘキモノニシテ特約即チ特別保険約款ヲ定メサルニ拘ラス普通保険約款ヲ内容トセサル保険契約ヲ為スコトハ保険業法ノ認容セサル所ナリ換言スレハ普通保険約款ハ当事者間ニ之ニ反スル特別ノ意思表示ナキ場合ニ於テハ当然当事者間保険契約ノ内容ヲ為スヘキモノニシテ当事者カ其内容ヲ知ルト否トヲ問ハサルモノトス是レ実ニ保険業法カ免許ノ条件トシテ普通保険約款ヲ定メ主務官庁ニ之レカ許否ノ権能ヲ付与シ保険会社ヲシテ妄リニ之ヲ変更セシメサル所以ナリ今本件ニ於テ原判決ハ要スルニ乙第一号証上告会社ノ普通保険約款ニハ問題ノ場合ニ於テ保険金ヲ支払フコトヲ要セサル旨ノ規定アルコトヲ認ムルモ保険契約締結ノ当時被上告人カ之ヲ承認シ以テ契約ノ内容タラシムル意思表示ナカリシヲ以テ此普通保険約款ハ本件保険契約ノ内容ヲ為ササルモノナリト断定シ以テ上告人ニ敗訴ヲ言渡シタルモノナルモ前述ノ如ク保険業法ノ規定ニ依レハ当事者間ニ特別ノ意思表示ナキ場合ハ当然当該保険会社ノ普通保険約款ヲ以テ契約ノ内容ト為スヘキモノニシテ之ニ反スル事項ヲ契約ノ内容ト為スヘキ場合ニ於テノミ特ニ之ニ相当スル意思ノ一致ヲ要スヘキモノナルコト明明白白ノ理ニ属スルヲ以テ原判決カ特別ノ意思表示ナキ場合ニ当然保険契約ノ内容タルヘク又タラシメサルヘカラサル普通保険約款ヲ保険契約ノ内容ト為サンカ為メニ特ニ之ヲ内容トスヘキ意思表示ヲ要スルカ如キ謬想ヲ抱キ之ニ依リテ断定ヲ下シタルハ前掲保険業法ノ強行規定ヲ無視シ若クハ之ニ背戻シテ事実ノ認定ヲ為シタルモノト謂フヘシ而シテ保険業法ハ保険ニ関シテハ商法ノ特別法ヲ為シ商法ノ規定ニ先チテ適用セラルヘキモノナルカ故ニ保険ニ関スル法規ニ付キ解釈上商法ノ規定ト保険業法ノ規定ト其趣旨一致ヲ期シ難キ場合ニ於テハ先ツ保険業法ノ趣旨ニ則ルヘキコトハ言ヲ竢タサル所ナレハ仮リニ商法第四百十九条ニ依レハ原判決ノ如キ断定ヲ下シ得トスルモ法規適用ノ順序トシテ先ツ特別法タル保険業法ニ拠ラサルヲ得ス況ヤ保険業法ノ此規定ハ強行規定ニシテ商法ノ彼規定ハ任意規定ニ過キサルニ於テヲヤト云フニ在リ仍テ按スルニ普通保険約款ハ保険業者カ予メ之ヲ定メテ主務官庁ノ認可ヲ受ケ保険契約ヲ為スニ当リ相手方ト特約ヲ為ササル普通一般ノ場合ニ於テ其契約ノ内容ト為スヘキ約款ニシテ保険業法ニ依リ又外国保険会社ニ付テハ明治三十三年勅令第三百八十号ニ依リ営業免許ノ条件トシテ必ス適当ニ之ヲ定メ主務官庁ノ認可ヲ得ルコトヲ要スルモノトス而シテ世間一般ノ実情ニ依レハ火災保険契約ヲ為スニ当リ当事者カ特別ニ保険約款ヲ定メサル限リハ保険会社ノ定メタル普通保険約款ニ依ル意思ヲ以テ契約スルヲ普通トシ保険契約者カ申込ノ当時其普通保険約款ノ条項ヲ詳細ニ知悉セサルモ尚ホ之ニ依ルノ意思ヲ以テ契約シ其申込ハ単ニ保険会社ノ作成ニ係ル保険申込書ニ任意調印スルノミニ依リテ之ヲ為スコト少シトセス且夫レ保険約款ハ通常之ニ包含スル事項煩瑣多岐ニ亘リ普通一般ノ世人ニハ容易ニ了解通暁シ難キモノアリ而カモ世間ノ実際ニ於テ保険契約者カ申込ノ際保険会社ノ定メタル普通保険約款ノ各条項ヲ一一査閲シ之ニ通暁シタル後契約スルカ如キハ甚タ多カラサル所ニシテ寧ロ多クハ能ク之ニ通暁セサルニ拘ハラス尚ホ之ニ依ルノ意思ヲ以テ契約スルヲ通例トス斯ノ如キ実情ハ火災保険契約当事者ノ一方タル保険業者カ内国会社ナルト外国会社ナルトニ依リテ異ルコトナシ是レ畢竟如上ノ法令ニ依リ内国会社タルト外国会社タルトヲ問ハス苟モ我国ニ於テ保険事業ヲ営ム者ニ対シテハ国家カ各保険業者ノ定ムル普通保険約款ニ付テ干渉シ其約款ノ当否ヲ監査シテ之ヲ許否シ以テ世間一般ノ保険契約者ヲ保護スル所以ニシテ又実際保険契約者カ普通約款ノ内容ニ通暁セスシテ之ニ依リ契約スルハ多クハ其約款カ内容ノ如何ニ拘ラス概シテ適当ナルヘキニ信頼シテ契約スルモノニ外ナラス故ニ火災保険契約当事者ノ一方タル保険者カ我国ニ於テ営業スル以上ハ其内国会社ナルト外国会社ナルトヲ問ハス苟モ当事者双方カ特ニ普通保険約款ニ依ラサル旨ノ意思ヲ表示セスシテ契約シタルトキハ反証ナキ限リ其約款ニ依ルノ意思ヲ以テ契約シタルモノト推定スヘク本件事実ノ如ク我国ニ於テ火災保険事業ヲ営メル外国会社ニ対シ其会社ノ作成ニ係ル書面ニシテ其会社ノ普通保険約款ニ依ル旨ヲ記載セル申込書ニ保険契約者カ任意調印シテ申込ヲ為シ以テ火災保険契約ヲ為シタル場合ニ於テハ仮令契約ノ当時其約款ノ内容ヲ知悉セサリシトキト雖モ一応之ニ依ルノ意思ヲ以テ契約シタルモノト推定スルヲ当然トス然ルニ原裁判所ハ被上告人カ保険契約ノ当時上告会社ノ保険約款ヲ知悉シタル事実アルニ非サレハ到底之ニ依ルノ意思ヲ以テ契約シタルモノト為シ難シトシ全ク此見地ニ基キ判決シタルハ違法タルヲ免レサルヲ以テ本件上告ハ結局其理由アリ依テ民事訴訟法第四百四十七条及ヒ第四百四十八条各初項ニ依リ主文ノ如ク判決ス

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