裁判例集
交通事故の損害賠償の裁判例: 名古屋高裁H20-9-30
交通事故の裁判例
交通事故によりペットである犬が負傷した場合において、治療費、慰謝料等を損害として認めた。
交通事故の裁判例判旨
子供のいない被控訴人らは、Fを我が子のように思って愛情を注いで飼育していたものであり、Fは、飼い主である被控訴人らとの交流を通じて、家族の一員であるかのように、被控訴人らにとってかけがえのない存在になっていたものと認められる。ところが、Fは、本件事故により後肢麻痺を負い、自力で排尿、排便ができず、日常的かつ頻繁に飼い主による圧迫排尿などの手当てを要する状態に陥ったほか、膀胱炎や褥創などの症状も生じているというのである(被控訴人ら各本人)。このようなFの負傷の内容、程度、被控訴人らの介護の内容、程度等からすれば、被控訴人らは、Fが死亡した場合に近い精神的苦痛を受けているものといえるから、慰謝料を請求することができるというべきである。 そして、慰謝料の金額については、Fの負傷の内容、程度、被控訴人らの介護の内容、程度等その他本件に現れた一切の事情を総合すると、被控訴人らそれぞれにつき、20万円ずつとするのが相当である。(被控訴人は2名)