裁判例集

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交通事故の損害賠償の裁判例: 横浜地裁H1-6-26

交通事故の裁判例

事業用大型貨物自動車は登録後6年を経過した車両は事業用として登録が不可能であるため、その車両損害については初年度から6年を経過していない被害車と同種同程度の車両の調達価額と修理費のいずれか低いほうによるべきであると判断した。

交通事故の裁判例判旨

原被告は、当初被害車を修理することとし、被告の加入している保険会社である大正海上火災保険株式会社と神奈川日産ディーゼル株式会社との間で修理費の協定をしたが、その額が二〇二万九七九〇円と高額であったため、被告は、修理費が被害車の価額を上回り、被害車の価額が七、八〇万円であるとして、被告側が修理に難色を示した。その間右見積が出たのが昭和六三年四月八日であり、その後も修理がなされなかったため、原告は、四月三〇日神奈川日産ディーゼル株式会社から被害車を引上げ、自社で修理を行った。そして、連休中も修理をしたが、結局被害車の修理を終え、稼働を開始したのは、五月一七日であった。被害車は、初年度登録が昭和五五年九月登録であり、日本自動車査定協会の査定によれば、被害車の昭和六三年一一月二五日時点での価格は、三一万六〇〇〇円であった。
右によれば、被害車の昭和六三年一一月二五日時点での価格は、三一万六〇〇〇円であり、事故時である同年三月一〇日時点での価額は、若干右金額を上回るとしても、右価額は、前記修理費額を下回るから、被害車の車両破損によること自体の損害は、車両価額を上回ることはないから、本来であれば、被告は、車両価額の限度で損害賠償責任を負う筋合いである。
しかしながら、《証拠略》によれば、被害車は、事業用大型貨物自動車であり、現実に事業用に供されていることが認められ、関東陸運局自動車第二部長の神奈川県陸運事務所長あての昭和五九年四月二六日づけの八四東陸自二貨二乙第一三号「一般区域貨物自動車運送事業の事業計画変更申請等の取扱いについて」と題する書面によれば、当分の間関東陸運局管内の貨物自動車運送事業者の事業計画変更(増車、代替)の際の車両の車令は概ね六年程度まで認めることとなっていることが当裁判所に顕著である。
右によれば、事業用大型貨物自動車の代替については、登録後六年を経過した車両は、事業用として登録が不可能であるため、前記の登録後七年六ケ月を超える車両の再調達価額をもってしては、事業用自動車を調達することは不可能である(前記自動車査定協会の査定価格が著しく低額であるのも右事情が影響しているとみられる。)。
そうすると、原告が事業用自動車を再調達するためには、少なくとも、初年度登録から六年を経過していない車両を購入する必要があるし、それができなければ、原告の損害を回復することにはならない。したがって、本件においては、初年度から六年を経過していない、被害車と同種同等の車両の調達価額と前記修理費を対比し、いずれか低額の方を車両損害とするのが相当であるとみるほかない。
そこで、本件事故時から六年前の昭和五七年登録車両の本件事故時の価額をみるに、《証拠略》によれば、オートガイド価格月報昭和六三年一月二月版では、被害車と同種同等の車両についての記載は、昭和五八年登録までのものしかなく、同年登録の中古車平均販売価額は三〇〇万円(新車価格は七二八万円)となっており、昭和五五年登録の車両で掲載されているのは、オートガイド価格月報昭和六〇年五月六月版であり、中古車平均販売価格は二四〇万円である(被告は、卸売価額の主張をしているが、再調達価額は小売価額をいうものであることは当然である。)ことが認められる。右の記載からみるに、昭和六三年一、二月当時の五八年登録車両の価額からみて、昭和五七年登録車両の価額(小売価額)は、修理費である二〇二万九七九〇円を下回ることはないものというべきである。
そうすると、右修理費額をもって損害とみるのが相当である。

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