裁判例集

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交通事故の損害賠償の裁判例: 東京地裁H15-7-28

交通事故の裁判例

被害者が製作した陶芸作品の破損につき、財産的価値の評価は困難であるが、被害者の精神的苦痛に対する慰謝料は損害賠償の対象になるとして100万円を相当と判断した。

交通事故の裁判例判旨

 上記一で認定した事実のほか、証拠(甲一及び二、一四、一五、原告本人、鑑定嘱託の結果)及び弁論の全趣旨によれば、本件作品の芸術的価値は、相当程度高く評価されている上、原告にとって、本件作品は、大学院卒業後初めて公の美術館に展示され、プロの作家として認められた記念碑的作品であるともいうべきものであって、原告が、一年という制作期間を費やし、陶板の制作のために長い工程を経て、時には作業が徹夜に及ぶなど多大な労力をかけて制作した思い入れのある作品であるにもかかわらず、被告の一方的過失によって惹起された本件事故により、陶板の多数枚が破損し、その破損状況や程度からして、もはやそれらを復元することができず、二度と同じ作品を制作できなくなったことが認められ、本件事故によって原告が受けた精神的打撃の大きさは容易に推認することができる。
 以上のとおり、本件においては、被害物件が代替性のない芸術作品の構成部分であり、被害者が自らそれを制作した芸術家であることのほか、本件作品自体の芸術的評価、制作に至る経過、完成までの工程に鑑みると、客観的にも本件被害物件の主観的精神的価値を認めることができるので、原告が被った精神的苦痛に対する慰謝料は、本件事故による損害賠償の対象となると言うべきである。そして、上記事実関係に加え、上記二の認定、説示のとおり、本件被害物件の具体的な財産的価値が算定できない事情を考慮すると、その金額としては一〇〇万円と認めるのが相当である。

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