裁判例集

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交通事故の損害賠償の裁判例: 東京地裁H10-2-24

交通事故の裁判例

被害車(ダンプカー)が使用不能となったため搬送用車両の外注台数が増えたことによる外注費について事故と相当因果関係のある損害と認め、これを基準として通常の修理期間(30日)について休車損害を算定した。

交通事故の裁判例判旨

(一)原告は、本件事故当時、各地の工事現場から原告所有の四トン車で廃材等の産業廃棄物を収集し、いったん千葉県市川市行徳の原告の積替保管所に持ち込み、種類に応じてごみを選別した後、さらに、原告の所有する一〇トンダンプカー七台(被害車両を含む。)
のほか、杉田建材、ジャパンクリーンテック(杉田建材の関連会社)、北総企業等の外注先に依頼して、杉田建材ほか数社の処分場や他の買取業者のところに運搬することを業務の内容としていた。
 原告所有車両を使用した場合の費用と、外注先を使用した場合の費用(外注費)とでは、外注費の方が高いので、原告は、まず所有車両で運搬を行い、それで処理できない分を外注に出すことにしていた。
 原告は、本件事故当時、原告代表者が代表者を兼任する、訴外ハシビ建設工業株式会社(以下「ハシビ」という。)からSら運転手の派遣を受け、人件費をハシビに支払い、その他の燃料費、高速代、修理費、外注費等は、原告が支出していた。
 原告所有の一〇トンダンプカーは、それぞれダンプカーと同数の運転手が専属で使用しており、本件事故当時、被害車両はSが専ら使用していた。
 本件事故後、平成七年一月までの間に新たに原告に雇用された運転手は、いなかった。
(二)原告は、本件事故により被害車両を使用できなくなったが、原告の積替保管所には、産業廃棄物を貯めておくことができず、また、その運搬には、都道府県知事の許可を受けた車両しか使用できないため、原告が従来被害車両を使用し、杉田建材の処分場に行っていた分は、そのまま杉田建材に、それ以外の場所に行っていた分は、ジャパンクリーンテック、北総企業、杉田建材のいずれかに外注に出さざるを得なくなった。
 本件事故後、原告は、本件事故と無関係に車高の低い新車(習志野一一に九七九四)を購入し、原告所有の一〇トンダンプは合計八台となったが、外注費を抑えることはできなかった。
 そして、甲五ないし一六、三〇、三一、証人D、同S、弁論の全趣旨によれば、原告は、本件事故前の平成六年七月ないし九月の三か月間(九二日間)に一日当たり平均一・九七台(杉田建材一・一一台、その他〇・八六台)を稼働していたところ、本件事故後の外注台数は、杉田建材、ジャパンクリーンテック、北総企業の三社合計で一日当たり三・五三九台増加していることが認められ、前認定のとおり、原告は、所有車両を使用した方が外注に出すより費用が少ないのであるから、右外注台数の増加は、本件事故がなければ、生じていなかった事態と推認され、本件事故と相当因果関係があると認められる。
 しかるところ、原告は、本件事故前、外注費として杉田建材に一回当たり平均三万二〇一二円、ジャパンクリーンテックと北総企業に一回当たり平均二万二一四五円(いずれも消費税を含む。なお、本件事故以前から杉田建材に行っていた分以外は、最も費用の少ない北総企業の外注費により算出する。)の一日当たり合計五万四一五七円を要していたものであり、変動経費として一日当たり三万四六八九円を要していたのであるから、右変動経費を控除した、一万九四六八円が原告の一日当たりの損害と認められる。
(三)原告は、休車期間として本件事故日の平成六年一〇月一一日から買替車両が納入された平成七年一月二六日までの一〇八日間を主張し、これに沿う証拠もあるが(甲三)、他方で、証人Tによれば、被害車両の修理には、通常であれば約一か月間を要するとしており、前認定のとおり、被害車両は修理が可能であり、新車購入を前提として休車期間を算定するのは相当でないから、原告の休車期間としては、右一か月間に限定するのが相当である。
(四)そうすると、原告の休車損害としては、前記一日当たり一万九四六八円の損害に三〇日を乗じた五八万四〇四〇円とするのが相当である。

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