裁判例集
交通事故の損害賠償の裁判例:神戸地裁H13-3-21
交通事故の裁判例
ベンツの塗装修理につき、特殊塗装のため破損箇所だけの部分塗装では色合わせが困難であり、事故車であることが時とともに一目瞭然となり、車両価値が低下するとして、全塗装の金額を損害として認めた。
交通事故の裁判例判旨
原告は、本件車両はメルセデスベンツ五〇〇SLのオープンカーであり、塗装修理については特殊塗装のため破損箇所だけの部分塗装では色合わせが困難なことから、全塗装が必要となる旨主張し、被告は、本件事故による被害車両の損傷部位は前面部分のみであることに鑑みれば、部分塗装で足り、これを超える部分の塗装費用は本件事故と相当因果関係を欠くものである旨主張する。
本件車両がメルセデスベンツ五〇〇SLのオープンカーであり、ベンツの中でも特に高級車であるといわれているものであることは前記認定のとおりである。証拠(乙四、五、一一、一六の一・二、証人山中)及び弁論の全趣旨によれば、本件車両は、特殊塗装のため破損箇所だけの部分塗装では色合わせが困難であり,機能的には部分塗装で十分であるとしても、部分塗装であれば部分塗装したこと、すなわち事故車であることが時とともに一目瞭然となり、車両価値がそれだけ低下することが認められるから、全塗装が必要であると認めるのが相当である。