裁判例集

一覧へ戻る

交通事故の損害賠償の裁判例:神戸地裁H18-11-24

交通事故の裁判例

交通事故に遭った中国人の留学生について、日本の大学卒業予定時から10年は日本で就労し、その後は中国で就労するという認定に基づいて逸失利益を算定した。

交通事故の裁判例判旨

第二六号証、証人Tの証言によれば、原告は、昭和五一年一二月二二日中国で出生した中国籍の男性であり、日本国の企業に就職して貿易関係の仕事をする目的で、平成一一年四月五日日本国に入国し、日本語学校で勉強した後、平成一三年四月X大学国際文化学科に入学したが、その約二か月後に本件事故に遭って、本件傷害を負ったため、平成一六年初めころ大学を退学したものの、同年二月二六日日本国に来てから知り合って交際していた中国籍のTと婚姻し、現在Tと同居しているものであり、原告の在留資格は、当初就学ビザであったが、X大学入学後留学ビザとなり、X大学退学後は、Tが日本国の企業に就職して就職ビザを取得したことから、家族滞在ビザを受けており、現時点では中国に帰国する予定はないばかりか、Tは、永住ビザを取得するとともに、日本国に帰化することも考えており、Tが帰化したときには、原告も日本国に帰化することを考えている。他方、乙第二号証によれば、平成一六年度のH大学の中国からの留学生が卒業する割合は八二・二パーセントであり、その卒業生のうち日本国で就職する割合は二一・六パーセントに過ぎない。これらの事実によれば、原告は、本件事故当時、大学卒業後に日本国の企業に就職する意思は有していたものの、現に日本国の企業に就職することは容易ではない状況にあったものであり、日本国の企業に就職できた場合であっても、定年まで勤めることまでは相当な困難を伴うものであると推測される。そこで、このような事情を総合考慮すれば、上記のとおり大学卒業予定時から一〇年間は日本国で就労することを前提とした収入とするが、その後は中国で就労することを前提とした収入(日本国の平均賃金の三分の一と認める。)とするのが相当である。
なお、原告の収入は、本件事故当時の事実に基づいて判断すべきである。そして、本件事故後の事実は、本件事故当時の事実を推認するために用いられることはあっても、本件事故後の事実から直ちに原告の収入を判断することはできないというべきである。

弁護士による交通事故の示談・慰謝料増額の無料相談【HOME】へ

一覧へ戻る

  • 交通事故で被害に遭われた方、そのご家族の方へ。
    損害賠償・示談の相談は、無料相談からお問い合わせください。
  • フリーダイヤル0120-980-856
  • 365日24時間いつでも受付中!
    お気軽にお電話ください!

  • 無料ご相談フォームへ