裁判例集

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交通事故の損害賠償の裁判例:東京地裁H16-10-18

交通事故の裁判例

父がリース契約にもとづき使用していた自動車を19歳の子が無断で運転中に交通事故を起こした場合に、父に運行供用者責任を認めた。

交通事故の裁判例判旨

(1)リース契約に基づく使用者にすぎないとの主張について
被告Aは、被告車両の所有者ではなく、Nリース株式会社からリース契約に基づき被告車両の使用許諾を受けた者にすぎないとして、被告Aの運行供用者性を争うが、リース契約において定められた一定期間内は、専らユーザーである被告Aが被告車両を使用収益することができるものであり、ユーザーである被告Aが被告車両の運行を支配していたものというべきである。したがって、被告Aの上記主張は、採用することができない。
(2)被告Xの無断使用の主張について
被告Aは、被告Xが被告Aに無断で被告車両を運転したのであるから、被告Aには、運行供用者としての具体的な運行支配が認められないと主張する。しかし、証拠(甲一一、乙六ないし八、被告A本人、被告X本人)及び弁論の全趣旨によれば、被告Aは、被告Xが自動車教習所に通っていたことを知っていたこと、被告Xが運転免許を取得した後、何度か被告車両を運転したことを知っていたこと、被告車両のスペアキーは被告Xが自由に取り出せたこと、被告Xは、練習のため被告車両を運転し、短時間の運転の後帰宅するつもりであったことの各事実が認められる。これらの事実からすれば、被告Aは、被告車両の運行支配を失っていないものと認められ、被告Aは、運行供用者としての責任を負うものというべきである。
なお、上記認定に反し、被告Aは、その本人尋問において、被告Aも被告Bも、被告Xが自動車教習所に通っていたことは知っていたが、運転免許を取得したことは知らなかったと述べ、被告Aの陳述書(乙六)、被告Bの陳述書(乙七)及び刑事記録(甲一一)中の被告Aの証人尋問調書にもこれに沿う記載がある。しかし、被告Bの陳述書(乙七)によれば、被告Bは、被告Xが仮免許を取得したことは知っていたというものであるところ、本件事故当時は、被告Xが運転免許を取得してから約一か月半を経過していたのであるから、被告Xが仮免許を取得してからはそれ以上の期間が経過していたのであり、被告Aも被告Bも、本件事故当時、未だに運転免許を取得していなかったと思っていたというのは不自然である。また、被告Bは,本件事故前に被告Xが被告車両を運転していたことに気付いていたというのであるところ、仮に、被告Bが、被告Xが運転免許を取得していないと思っていたのだとすれば、被告Bは、被告Xが無免許運転の罪を犯したことを知ったにもかかわらず、被告Xに、被告車両を運転したのではないかと尋ね、被告Xが運転していないと答えたため、被告Xに対して手紙を書いただけですませたということになり、不合理である。したがって、被告Aも被告Bも被告Xが運転免許を取得していたことを知らなかった旨の被告Aの供述、被告A及び被告Bの陳述書の記載並びに刑事記録中の被告Aの証人尋問調書の記載は、採用することができない。
そうすると、被告Xが被告Aに無断で被告車両を運転したのであるから、被告Aは運行供用者責任を負わないとの被告Aの上記主張は、採用することができない。 
(3)上記(1)及び(2)によれば、被告Aは、自賠法三条の「運行の用に供する者」に該当する。

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