裁判例集

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交通事故の損害賠償の裁判例:東京地裁H20-3-18

交通事故の裁判例

RSDとCRPSによる後遺障害等級につき、自動車損害賠償保障法施行令別表第2の第10級10号に相当するとした。

交通事故の裁判例判旨

上記認定の症状固定時の原告の症状、その後の治療状況等の事実によれば、原告は本件事故により左肩・手の関節が拘縮するなどのRSDによる後遺障害が残存した状態にあり(もっとも、原告のRSD症状が自賠法施行令別表第二の第九級一〇号に該当する程度のものであるとまで認めるに足りる証拠はない。)、その疼痛等も影響して、左肩関節及び左手関節に健側と比べて明らかな可動域制限が認められることから、原告は、本件事故により、自賠法施行令別表第二の第一〇級一〇号(一上肢の三大関節中の一関節の機能に著しい傷害を残すもの)に該当する程度の後遺障害を負ったものと判断するのが相当である。
 これに対し、被告らは、本件事故による原告の後遺障害は自賠法施行令別表第二の第一二級一三号に該当するのが上限である旨主張し、被告ら側の医師の意見書(乙第六号証及び同第一八号証)においては、労災ないし自賠責の認定基準が、〔1〕関節拘縮、〔2〕骨萎縮、〔3〕皮膚の変化(皮膚温の変化、皮膚の萎縮)という慢性期の主要な三つの症状がいずれも健側と比較して明らかに認められていることを必要としているところ、原告に明らかな骨萎縮は認められないこと、原告の症状が国際疼痛学会の研究目的基準には該当しないことなどが指摘されている。
 しかしながら、交通事故の被害者の診断において、臨床目的に代えて研究目的の診断基準の適用を論ずることは有益とはいえないことに加え、被害者の迅速な救済のために定型的な基準を必要とする労災ないし自賠責の認定においては、骨萎縮を要件とすることは理解できるものの、訴訟上の判断はそれに拘束されるものではなく、上記B医師の意見書のとおり、国際疼痛学会が平成一七年に作成した臨床目的の診断基準では、〔1〕感覚障害、〔2〕血管運動障害、〔3〕浮腫・発汗機能障害、〔4〕運動栄養障害の四項目のうち、いずれか三項目以上のそれぞれについて一個以上の症状を含み、かつ、いずれか二項目以上に一個以上の徴候を含むとされているところ、原告は当該臨床目的の診断基準を満たしている上、ギボンズらのRSDスコアでも三点以上を有し、原告の主治医であるT医師もRSDに罹患したとの診断をしていること、事故前には原告にRSD発症の体質的要因はなく、事故直後に見られた頸椎の生理的前弯の消失が発症の契機となったことを否定し難いことなどに鑑みると、上記被告らの主張を採用することはできない。
 以上を考慮すれば、原告の労働能力は、本件事故による後遺障害により、二七パーセント喪失したものとみるのが相当である。

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