裁判例集

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交通事故の損害賠償の裁判例:東京地裁H14-5-28

交通事故の裁判例

交通事故直前に就職した被害者が、欠勤のために退職せざるをえなかった場合に、治癒後直ちに再就職できるものではないことから、入通院期間及び治癒後の3か月(合計7か月)の間の休業損害を認めた。

交通事故の裁判例判旨

原告は、本件事故の直前である平成一二年三月半ばころ、ビル清掃業等を営む株式会社Sへの就職が正式に決定し、本件事故前日の同月二九日から実際に勤務を開始した。同社における給与収入としては、時給一二五〇円として一日八時間、一か月二〇日間勤務するとの契約に基づき、月額二〇万円の給与を取得することが確実であったほか、月額二万円の運転手当も支給されることになっていたから、これらの合計額である月額二二万円、年収二六四万円の収入が見込まれた。
しかし、原告は、同月三〇日に本件事故に遭遇し、長期間の加療を要する傷害を負ったため、同社からの強い要請によって退職せざるを得なくなった。原告は、本件事故による傷害の治療が一段落したころから、再び就職活動を開始したが、昨今の不況による影響が非常に大きく、同社と同等の収入が得られる職業に就くことができないでいる。原告は、本件事故に遭遇する前は、同社において少なくとも一〇年間程度の長期間真面目に勤務し、収入を得る決意を固めていたから、本件事故による傷害が原因で解雇された原告の喪失した得べかりし利益は、前記見込み年収二六四万円の一〇年分に相当する二六四〇万円である。
そして、株式会社Fにおいてアルバイトを開始する平成一三年七月末までの一六か月間に、株式会社Sから得べかりし給与収入は三五二万円となるところ、原告は、この間アルバイトにより二六万八四〇〇円の収入を得ているから、これを控除した残額は三二五万一六〇〇円である。
また、原告は、平成一三年八月から株式会社Fにおいてアルバイトをしており、月額一三万一七四五円程度の収入を得ている。株式会社Sからの得べかりし給与収入と株式会社Fからのアルバイト収入との差額は、月額八万八二五五円であり、これを基礎に将来八年分の消極損害を現在価値に換算すると、次の計算式のとおり、六八四万四九一六円となる。
八万八二五五円×一二か月×六・四六三二(八年間のライプニッツ係数)=六八四万四九一六円
したがって、原告の休業損害等の消極損害は、(a)株式会社Fにおけるアルバイト開始前の期間に対応する三二五万一六〇〇円と、(b)同社におけるアルバイト開始以後の期間に対応する六八四万四九一六円との合計の一〇〇九万六五一六円となる。

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