裁判例集

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交通事故の損害賠償の裁判例:東京地裁H13-4-19

交通事故の裁判例

被害車両が全損と評価される場合、新たな車両の購入に伴って生じる買換諸費用は、車両の取得行為に付随して通常必要とされる費用の範囲内で事故による損害と認められるべきであるとして、自動車重量税、検査・登録費用と車庫証明費用及びそれらの代行費用などを損害と認めた。

交通事故の裁判例判旨

本件事故のように被害車両が全損と評価される場合には、被害者は、被害車両を修理してこれを再び使用することはできず、元の利益状態を回復するには同種 同等の車両を購入するほかはない。したがって、この新たな車両の購入に伴って生ずるいわゆる買換諸費用は、車両の取得行為に付随して通常必要とされる費用 の範囲内において、事故による損害と認められるべきものであり、その必要性の有無は、当該費用の性質・内容、取引の実情等を総合的に考慮して決するのが相 当である。本件においては、以下に述べるとおり、控訴人の請求する諸費用のうち、自動車税及び自賠責保険料は本件事故による損害とは認められないが、自動 車重量税については三六六六円を、その他の諸費用については控訴人の請求どおり全額を、本件事故による損害と認める。
(一)自動車税、自賠責保険料について
自動車税及び自賠責保険料は、車両の取得行為に付随して必要となる費用ではなく、車両を現に所有していること等に伴って生ずる費用であって、いずれも、 事故によって車両が全損となった場合には、所定の手続を執ることにより未経過分の還付を受けることができるものであるから、これらは本件事故と相当因果関 係を有する損害とは認められない。
(二)自動車重量税について
自動車重量税は、購入する自動車につき自動車検査証の交付等を受ける場合及び車両番号の指定を受ける場合に、自動車検査証の有効期間及び自動車の重量に 応じて課せられるものであって、事故車両の自動車検査証の有効期間に未経過分があったとしても、前記自動車税及び自賠責保険料のように還付されることはな い。したがって、事故時における自動車検査証の有効期間の未経過分に相当する金額は、事故による損害というべきである。
証拠(甲四、五)及び弁論の全趣旨によれば、本件車両に対しては、一年の自動車検査証の有効期間に対して八八〇〇円の自動車重量税が支払われており、本 件事故時においては、その有効期間が五か月分残存していることが認められるので、八八〇〇円の一二分の五に相当する三六六六円(一円未満切捨て)を本件事 故による損害と認める。
(三)検査・登録費用、車庫証明費用について
検査・登録費用及び車庫証明費用は、車両を取得する都度出捐を余儀なくされる法定の費用(手数料)であり、証拠(甲三)によれば、本件において、検査・登録費用は一九四〇円、車庫証明費用は二五〇〇円と認められるので、合計四四四〇円を本件事故による損害と認める。
(四)検査・登録手続代行費用、車庫証明手続代行費用、納車費用について
検査・登録手続代行費用、車庫証明手続代行費用及び納車費用は、販売店の提供する労務に対する報酬であるところ、車両を取得する都度、検査・登録、車庫 証明の手続や納車が必要となり、車両購入者が通常それらを販売店に依頼している実情にかんがみると、これらの費用を買換えに付随するものとして賠償の対象 とするのが相当である。証拠(甲三)によれば、本件において、これらの費用は消費税を含めて合計四万八一二一円と認められ、この金額が不相当に高額である との証拠も存しないので、四万八一二一円を本件事故による損害と認める。

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