裁判例集

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交通事故の損害賠償の裁判例:最判S50-11-4

交通事故の裁判例

同族会社の取締役(代表取締役の息子)が従業員の運転する会社所有の自動車に私用のために乗車中、その従業員の起こした交通事故により受傷したケースにつき、自賠法3条の「他人」に当たらず、会社に対し同条による損害賠償を請求することができないとした。

交通事故の裁判例判旨

原審確定の上記の事実関係に徴すると、Tは被上告会社の業務終了後の深夜に本件自動車を業務とは無関係の私用のためみずからが運転者となりこれにDを同乗させて数時間にわたつて運転したのであり、本件事故当時の運転者はDであるが、この点も、Tが被上告会社の従業員であるDに運転を命じたという関係ではなく、Tみずからが運転中に接触事故を起こしたために、たまたま運転を交代したというにすぎない、というのであつて、この事実よりすれば、Tは、本件事故当時、本件自動車の運行をみずから支配し、これを私用に供しつつ利益をも享受していたものといわざるをえない。もつとも、原審認定の被上告会社による本件自動車の管理の態様や、Tの被上告会社における地位・身分等をしんしやくすると、Tによる本件自動車の運行は、必ずしも、その所有者たる被上告会社による運行支配を全面的に排除してされたと解し難いことは、原判決の説示するとおりであるが、そうであるからといつて、Tの運行供用者たる地位が否定される理由はなく、かえつて、被上告会社による運行支配が間接的、潜在的、抽象的であるのに対し、Tによるそれは、はるかに直接的、顕在的、具体的であるとさえ解されるのである。
 それゆえ、本件事故の被害者であるTは、他面、本件事故当時において本件自動車を自己のために運行の用に供していた者であり、被害者が加害自動車の運行供用者又は運転者以外の者であるが故に「他人」にあたるとされた当裁判所の前記判例の場合とは事案を異にするうえ、原判示のとおり被上告会社もまたその運行供用者であるというべきものとしても、その具体的運行に対する支配の程度態様において被害者たるTのそれが直接的、顕在的、具体的である本件においては、Tは被上告会社に対し自賠法三条の「他人」であることを主張することは許されないというべきである。

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