裁判例集

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交通事故の損害賠償の裁判例:最判H18-2-24

交通事故の裁判例

加害少年らはまもなく成年になること、親権者として加害少年に及ぼしうる影響力が限定的であることから、親権者の不法行為責任を否定した。

交通事故に係る裁判例判旨

1 未成年者が責任能力を有する場合であっても,その監督義務者に監督義務違反があり,これと未成年者の不法行為によって生じた損害との間に相当因果関係を認め得るときには,監督義務者は,民法709条に基づき損害賠償責任を負うものと解するのが相当である(最高裁昭和47年(オ)第1067号同49年3月22日第二小法廷判決・民集28巻2号347頁参照)。
2 前記事実関係によれば,Aらは,暴行,恐喝,傷害,窃盗,強盗致傷等の非行歴を有し,保護観察や少年院送致の処分を繰り返し受けていたところ,本件事件当時,少年院を仮退院して保護観察に付され,一般遵守事項に加え,特別遵守事項が定められていたにもかかわらず,これらを守らないで,遊び歩いていたり,暴力団事務所に出入りするなどしていたというのである。
しかし,前記事実関係によれば,本件事件当時,Aらは,いずれも,間もなく成人に達する年齢にあり,既に幾つかの職歴を有し,被上告人らの下を離れて生活したこともあったというのであり,平成13年4月又は5月に少年院を仮退院した後のAらの行動から判断しても,被上告人らが親権者としてAらに対して及ぼし得る影響力は限定的なものとなっていたといわざるを得ないから,被上告人らが、Aらに保護観察の遵守事項を確実に守らせることができる適切な手段を有していたとはいい難い。
上告人は,Aらを少年院に再入院させるための手続(以下「再入院手続」という。)等を執るべきであったと主張する。 
そこで,この点について検討すると,前記事実関係によれば,Aらは,いずれも19歳を超えてから少年院を仮退院し,以後本件事件に至るまで特段の非行事実は見られず,AとBは,本件事件の約1週間前まで新宿のクラブで働き,本件事件当時は被上告人Y3宅に居住していたというのであり,Cは,本件事件当時,Fの父親の家に居住し,漁業の手伝いをしていたというのであるから,被上告人らにおいて,本件事件当時,Aらが本件事件のような犯罪を犯すことを予測し得る事情があったということはできない(Cが暴力団事務所に出入りするようになっていたことを被上告人Y5が知らなかったことは前記のとおりである。)し,Aらの生活状態自体が直ちに再入院手続等を執るべき状態にあったということもできない。
3 以上によれば,本件事件当時,被上告人らに本件事件に結びつく監督義務違反があったとはいえず,本件事件によって上告人が被った損害について,被上告人らに民法709条に基づく損害賠償責任を認めることはできない。これと同旨をいう原審の判断は正当である。論旨は採用することができない。

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