裁判例集

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交通事故の損害賠償の裁判例:大阪地裁H3-1-31

交通事故の裁判例

交通事故の被害者について、主治医が、独自の社会生活が全く不可能であることから個室入院は当然であり、原告の症状に照らすと、室内にトイレ、洗面及び入浴の設備が身近にあることが看護のため必要不可欠であると判断していることが認められ、原告の本件事故当時の職業とそれに伴う社会的地位からすると、症状固定日までの日額二万円の室料差額は本件事故と相当因果関係のある損害であると判断した。

交通事故の裁判例判旨

〈証拠〉によれば、原告はT病院に対し、前記症状固定日である平成元年三月一日までに、治療費、入院料、室料差額及び付添寝具料として合計一六五万九一四五円を超える額(但し、同病院に対する支払額から付添人食事料及び電話料を除いた額、なお、平成元年三月一日分については、同日から同月一〇日分の合計額を按分して算出した。)の支払いをしていることが認められる。
 そして、前認定のT病院入院時の原告の症状によれば、原告は二四時間の付添看護を要する状態であったということができ、また、前認定の症状固定時の原告の症状からすれば、原告は、T病院入院後症状が相当改善した時点においても、常時付添いによる看護が必要であり、右状態は症状固定日まで継続したということができる。そして、常時付添いを行うためには、病院内に付添人が就寝したり、手透き時に休息をしたりする場所が必要であり、また、〈証拠〉によれば、原告は体格が大きく、付添人一人で入浴の介助を行うことができず、原告の近親者も加わって入浴の介助を行っていたことが認められ、右のような原告の介助の状況からすれば、病室内にトイレ及び入浴の設備があることが望ましいということができるところ、〈証拠〉によれば、T病院の病室は、個室と通常病室に分かれ、個室には、特別室(電動ベッド、バス、トイレ、キッチン、テレビ、電話及び長椅子が設置されている。なお、原告が入院している病室は、三室ある特別室のうち、部屋が狭い方の二室のうちの一室で、室料差額は日額二万円とされている。)と通常個室(ベッドと椅子のみが設置されており、室料差額は部屋の広さにより日額一万円、同八〇〇〇円とされている。)があり、通常病室には、二床室(室料差額日額四〇〇〇円)、五床室及び六床室(いずれも室料差額はなし。)があること、同病院の原告の主治医は、原告は独自の社会生活が全く不可能であることから個室入院は当然であり、原告の症状に照らすと、室内にトイレ、洗面及び入浴の設備が身近にあることが看護のため必要不可欠であると判断していることが認められ、以上の点に後記認定の原告の本件事故当時の職業とそれに伴う社会的地位からすると、原告が前記のような特別室に入室したことも、あながち不相当であったということはできず、原告の症状固定日までの日額二万円の室料差額も本件事故と相当因果関係のある損害というべきである。また、付添人が常時原告に付添うためには、付添人の寝具が必要であることはいうまでもなく、大阪府看護婦・家政婦紹介事業協同組合加入の付添婦紹介所の紹介条件では、付添人の寝具料は付添いの依頼者が負担すべきものとされていること(〈証拠〉)に照らしても、T病院に対して支払った付添人寝具料は本件事故と相当因果関係のある損害というべきである。
 したがって、原告の主張するT病院への支払額一六五万九一四五円は全額本件事故と相当因果関係のある損害であるということができる。

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