裁判例集

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交通事故の損害賠償の裁判例:名古屋地裁H19-11-21

交通事故の裁判例

交通事故の後にうつ状態になったことについて因果関係を認めつつ、心因的要因を考慮して、賠償額の4割の減額を認めた。

交通事故の裁判例判旨

証拠(甲八ないし一〇〈枝番を含む〉)によれば、本件事故は、原告が自転車を押して横断歩道を渡っていたとき、右折してきた被告車が自転車に衝突し、自転車と共に原告が倒れたこと、被告車は時速一五ないし二〇キロメートルであり、衝突地点から約六・五メートル手前で急ブレーキをかけたこと、原告は、衝突地点から約三・五メートル離れた地点で倒れていたことが認められる。原告は、原告が水路に転落する恐れがあったと主張するが、原告は現実に転落はしておらず、かかる前提を採ることはできない。
 そして、本件事故の態様に照らすと、本件事故が原告にとって、いわゆるDSM―〈4〉の基準Aの「実際にまたは危うく死にそうになったり大けがをしそうになったりする出来事」と認めることは難しい。したがって原告が心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症しているとすることはできない。
 しかし、うつ状態については前記認定のとおり診断書もあり、原告の症状に照らすと、特にこれを否定する事情はない。
 そして、原告の現在の状況は、前記認定のとおりであり、本件事故とH病院でのうつ状態の治療開始までに五か月弱の間があるものの、その間本件事故による傷害のための治療が続いており、原告は痛みが続き、そのために眠れないことが多かったこと(甲三〇)、本件事故以前に原告に心因的症状はなく、本件事故後前記症状が現れていることを考えると、うつ状態については本件事故が契機となったものと認められ、原告の現在のうつ状態と本件事故との間に相当因果関係を認めるのが相当である。
・・・
原告のうつ状態は、本件事故の態様に照らすと、原告の素因による部分も多分にあるものと認められ、必ずしも全損害が本件事故によるものとは言い切れず、素因減額として四割を控除することとし、そうすると、二一五八万〇一四三円となる。

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