裁判例集

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交通事故の損害賠償の裁判例:名古屋地裁H-17-7-13

交通事故の裁判例

病院の特別室使用料が損害として認められた。

交通事故の裁判例判旨

反訴原告には、レントゲン、CT、MRI等により認められる骨折等の異常はなく、また、明らかな神経学的所見も認められなかったが、反訴原告は、国立名古屋病院及びSK病院入院中に、継続的に疼痛等の自覚症状を訴え続けている。反訴原告の訴える症状は、本件事故による受傷に基づくものに、結婚式を控えていたことや結婚後の生活に対する不安、事故による損害の賠償について被告との話し合いが進まないことに対するストレス等の精神的要因が加わっている可能性も否定できない。しかし、本件のように突然交通事故に遭い、思うように症状が改善しなかったり、事故の相手方との賠償交渉が進展しない場合などに、疼痛等の症状が継続することはよく見られることであり、これをもって、反訴原告の訴える症状が虚偽であるとすることはできない。国立名古屋病院及びSK病院の担当医師は、同人に対し繰り返し退院を勧めていることが認められるが、地域の中核となる国立病院や大学病院は、救急患者や症状の重い患者を扱うことが多いことから、反訴原告のような症状がそれほど重篤でない患者については、できるだけ転院するか通院に切り替えることを求められることがあることはよく知られていることであり、また、反訴原告は、本件事故の後に結婚式や披露宴を控えており、打ち合わせ等の準備をしなければならないという状況にあり、さらに、婚姻後も家事労働が行えるかどうかについても大きな不安があった(甲一三の五二、五四頁)。反訴原告は、反訴被告会社の事故担当者のXに対し、結婚式及び披露宴の中止を申し出たが、キャンセル料の支払を拒否されたことから、結婚式を予定通り行うこととなった(反訴原告八、九頁)。このような事情の下で、前記各病院の担当医師が、反訴原告に対し、退院を勧めたからといって、直ちに入院の必要がないと考えるべきではなく、反訴原告の入院治療等が長期化したとしても、後記のように、反訴原告の素因の問題として扱うのが相当である。そして、反訴原告は、結婚式や披露宴の開催について、親族や婚約者との打ち合わせ等の準備の必要のために個室を利用したいと考え、Xに対し、結婚式の打ち合わせの必要性等のために個室を利用したいと話し、Xはこれを承諾したこと(反訴原告六ないし八頁)、また、Xは、反訴原告のSK病院入院に際し,反訴原告の治療費及び治療関係費について、反訴被告会社が支払を保証する旨の念書を差入れていること(乙三末尾添付)を総合して勘案すれば、反訴原告のSK病院における個室の利用も直ちに不相当であるとすることはできない。しかし、前記のとおり、反訴原告が個室の利用を必要とする理由は、治療の必要性に加えて、結婚式の打ち合わせ等の必要性によるものであれば、反訴原告の結婚式後の入院の必要性は否定できないとしても、結婚式が終わった後にも個室を利用する必要性を認めることは困難であり、そうすれば、反訴原告のSK病院入院中の個室利用のうち、結婚式後に帰院した日の翌日の同月二〇日以降の個室利用について、その費用を反訴被告側に負担させるのは合理的ではないと考えられる。

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