裁判例集

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交通事故の損害賠償の裁判例:名古屋地裁H16-7-28

交通事故の裁判例

原告の言動を捉えて原告のRSDの発症が原告の精神的素因に起因すると認めることはできないと判断した。

交通事故の裁判例判旨

(3)ア RSDは、外傷等を原因として生じた交感神経反射が、原因となる侵襲が消失しても消失せず持続し、末梢の組織に強い交感神経抗進状態を継続させ、それがより強い持続的な疼痛刺激となるという悪循環等を形成し最終的に組織の萎縮を伴うこと等を特徴とする疾病であり、外傷等の原因の程度が軽微な割に驚くほど重篤な後遺症を残す可能性がある難治性の慢性疼痛症候群であるなどと定義される。その基本症状は、疼痛、腫脹、関節拘縮、皮膚変色、発汗異常等であるとされる。RSDについては、その定義をはじめとして、その病因及び病態については未だ定説が確立されていないとされる(乙七、弁論の全趣旨)。
イ RSDの症状が固定するのは数週間から数年にわたるとされているが、N医師は、平成一三年七月頃になると、原告の症状がある程度安定してきたこと、症状固定を先に延ばすより症状固定とした方が原告が精神的に安定すると判断し、同月二四日に、原告の傷病名を、「頸部挫傷、左上肢外傷性末梢神経障害」、自覚症状を、「左上肢シビレ・痛み、筋力・知覚低下著明、著しい左上肢機能障害、廃用手」、精神・神経の障害、他覚症状および検査結果を、「左上肢筋力・知覚低下、左手指拘縮著明」等として、同年六月一四日症状固定と診断した(甲六、N医師九頁)。そして、平成一四年二月一八日、自動車保険料率算定会から、「(原告の)左上肢・手指の拘縮、疼痛等の症状については、症状、所見の経過等を勘案すると、頸部挫傷等の本件事故外傷後にRSD(反射性交感神経性ジストロフィー)をきたしたことによるものと捉えられ、本件事故外傷との間の相当因果関係は否定し難いものと考えます。障害程度としては、現在における腫張、骨萎縮等のRSDに特有の所見の程度、左上肢・手指の拘縮の程度等を踏まえ、神経系統の機能の障害として総合的に評価することとし,『神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの』第七級四号の適用と判断します」と認定された(甲八)。
ウ S医師は、「(原告は、本件事故と相当因果関係を有する)左上肢反射性交感神経性ジストロフィーを合併しており、左上肢は、日常生活動作において、殆んど機能不可能な状態をきたしている。」とする旨の診断をする(甲七)。 
(4)以上によれば、原告は、本件事故による外傷により左上肢にRSDの基本的な症状とされる、疼痛、腫脹、関節拘縮、皮膚変色、発汗異常等の症状を発症し、これらの症状が持続し、その結果、左上肢のしびれ・痛み、筋力・知覚の著しい低下、左上肢機能の著しい障害、廃用手、左手指の著しい拘縮等の後遺障害が残ったと認められ、原告の左上肢の後遺障害は、「神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの」として、後遺障害等級第七級四号に該当することは明らかである。

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