裁判例集
交通事故の損害賠償の裁判例:京都地裁S62-5-6
交通事故の裁判例
筝曲師範である交通事故の被害者につき、就労可能年数を70歳までとした。
交通事故の裁判例判旨
成立に争いのない甲第一号証によれば、Fは死亡時五四歳であつたことが認められるところ、原告は、Fは少なくとも八〇歳まで筝曲関係の仕事が可能であつた旨主張する。しかしながら、原告繁本人尋問の結果によれば、Fは、生前健康体で活発に仕事をこなしていたことが認められるうえ、原告が立証するまでもなく、一般に琴など芸事の個人教授については比較的高齢まで就労が可能であると解せられるものの、証人Yの証言によれば、五、六〇歳まで琴や三絃の教授を続けてきた人はそのまま続けてやつていく人が多い一方、七〇歳くらいになると、体力的な理由から琴や三絃の教室を構えるのを辞める人もあることが認められることに照らすと、Fは、七〇歳まで就労が可能であつたと認められるものの、それを超えて就労できたとの立証は未だないというべきである。